三重紀北消防組合は21日、紀北町相賀の多目的広場で通常点検を行い、職員の規律を正して、災害に即時対応できる士気を高めた。
職務に精励する意識高揚が目的で、毎年、火災が発生しやすくなるこの時期に実施している。55人が参加し、号令を受けて整列。管理者の加藤千速尾鷲市長や宇利崇消防長をはじめ管理職らが服装や手帳、基本的な動作などを点検した。
訓示で加藤市長はまず「きびきびとした動作で、私自身も背筋が伸びる」とあいさつ。元日の能登半島地震を受けて同組合から計10日間にわたり延べ27人が、県の緊急消防援助隊の一員として現地に派遣されたことに言及。輪島市で活動した署員および派遣職員がいない期間に通常業務を支え署員らをあらためてねぎらった。
災害対応に関しては、地震・津波だけでなく大雨災害もいつ、どこで発生するか分からない状況になっていると環境の変化に言及し、「災害時に即応できる機関として、住民の期待が高まっている」と訓示。救急搬送件数も過去最多を更新するペースで増加していることについて「昼夜を分かたず活動されていることに頭の下がる思い」と語った。
さらに、韓国で発生したリチウムイオン電池工場やホテル火災にも言及。技術の発展に伴い新たな形の火災が発生しているとして「新技術や新素材による災害は他人事ではない。いつでも我々の身近で発生する可能性があることを認識していただき、それに対する知識・技術を習得し、立ち入り時には消防に与えられた権限をきちんと行使し、これらの災害を未然に防いでほしい」と呼び掛けた。また、「住民の立場に立ち、身近で頼れる消防機関であってほしい」と激励した。