10月から紀北町でもこども食堂のモデルケースが行われている。1回目はおにぎりが余ったが、2回目は30分ほどでなくなった。
かなり早めに登校してくる子もいる。おずおずとおにぎりを一つ手にし、「もう一ついいよ」と言われると、種類を迷いながら笑顔を見せる。豚汁を受け取って「ありがとう」とはにかむ。食べ終わっても次々とやってくる子と話しながら時間を過ごす。見た限りスマホをいじっている子がいなかったのは良い驚きだった。単に朝食をとるだけでなく、情操教育や地域とのつながりづくりとしても効果が期待できる。
こども食堂に限らず、イベントや環境美化活動など、地域の取り組みは努力と献身に支えられている。朝早くから準備に勤しむボランティアの後ろ姿を見て、地元の業者の寄付に支えられていることを聞くと、地域の子どものためにどんどんやっていこう、とは軽々しく言えない。それでも、町内で初のこども食堂は大きな一歩。ノウハウも課題も可能性も、今後に生かせる時がきっと来る。
(R)