少子化に歯止めがかからない。「多産多死から多産少死をへて少産少死へ」という。全体的な流れから、仕方のない部分もあるかもしれないが、人口流出に伴う過疎化と相まって、いびつさが社会に悪影響を及ぼしている。
少し前は「結婚して子育てをする」のが当たり前の価値観だった。一般に、男女の出会いがあって、結婚、出産。子どもが成長して、また出会いがある。各段階にそれぞれハードルがある。
内閣府の、2022年版男女共同参画白書によると、独身の20代男性は約4割が、女性は約25%が「デート経験なし」。30代の独身男女とも約4分の1が「結婚する意思がない」と回答している。
「一人口は食えぬが二人口は食える」と言われていた。社会が変化し、独身でいることの不便さが減り、逆に例えば子育てに多大なお金がかかるなど、リスクが前面に出過ぎている。
育児分野は子育て支援が充実してきた。コロナ禍で中断しているが、婚活企画も行われている。結婚したい人たちが結婚できるよう、また、結婚しない選択を尊重しつつも、「結婚して子育てをしたい」と考える人が増えるよう、ハードルを低くしていく施策が求められる。
(M)