新型コロナウイルス感染症の影響で制限していた外国人観光客の受け入れが、まずは添乗員つきのパッケージツアー限定だが、およそ2年ぶりに再開した。折しも、世界フォーラムが発表する観光魅力度ランキングで日本が初の世界一となり、目下の物価上昇の要因として悩ましい急速な円安も海外観光客の受け入れには大きなプラスとして働く。
コロナで観光業が大きな打撃を受けたのはこの地域も同じだが、感染が拡大し始めたころ、業者から「この地域はインバウンド対策が遅れていたことが、逆に功を奏した」と話していたことを思い出す。裏を返せば、アフターコロナを控える中、この地域はインバウンド推進という大きな宿題を残している、ということになる。
三重は伊勢神宮、伊賀忍者、鈴鹿サーキットと日本の魅力を感じさせる観光資源を持っており、インバウンドとしての伸び代は大きい。その中でも東紀州地域は豊かな自然と海の幸があり、世界遺産の熊野古道もある。世界的な課題としてSDGs(持続可能な開発目標)が注目される中、自然の魅力を生かしたインバウンド戦略を考えていくことが必要だ。
(R)