先月半ばの本欄でも取り上げたが、特殊詐欺は引き続き警戒が必要。5月30日には紀北町で60代の女性が約50万円をだまし取られた。
被害と対策はいたちごっこ。携帯電話で通話しながらATMを操作している高齢者がいれば、金融機関の職員は注意を向けることになっている。この段階で「どうされました?」などと声掛けすることで、被害が防げたケースも多い。これに対して詐欺グループは、窓口が閉まってからATMコーナーに誘導するようになっている。今回の事案では「手続きの締め切りは今日」と言いつつ、コールセンター職員を名乗る男が「この時間、銀行が混み合っているので、午後4時15分ごろに銀行のATMに行ってほしい」と、わざわざ窓口が閉まった後の時間を指定している。
「今日」「すぐに」と急がせて判断力を鈍らせるのも典型的な手口の一つ。
携帯電話やスマホなどにメールやメッセージが届くケースもあるが、特殊詐欺被害の多くは自宅の固定電話に不審な電話がかかって来るのが入り口になっている。留守番電話を活用するだけでも効果があると言われる。被害に遭わないようこれからも十分気を付けてほしい。
(M)