6月1日に改正動物愛護管理法が施行され、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫にマイクロチップを埋め込むこと、飼い主の情報の登録が義務化される。
マイクロチップは長さ1センチ、直径2ミリほどの円筒形で、15桁の識別番号が記録されている。ペットが路上で保護されても、保健所や警察などに配備された専用機器で読み取ると、国のデータベースを通じて飼い主の連絡先などがわかる仕組みで、迷子になったり、捨てられたりするのを防ぐ効果が期待され、災害や盗難の際にも戻ってくる可能性が高まる。
阪神大震災で多くのペットが行方不明になったことを機に議論が進んで法改正に至ったが、環境省によると、2020年度に迷子や飼育放棄などの理由で自治体に引き取られた犬猫は7万2400匹。動物愛護センターなどで譲渡が行われているが、それでも飼い主が見つからず、殺処分されるなどしたのは2万3700匹に上る。
すでに飼っている人や販売業者以外から譲り受けた場合は努力義務となっているが、関係機関ではできるだけ装着するよう呼び掛けている。少しでも殺処分が減ることを期待したい。
(J)