野菜350グラム、果物200グラム。成人一人が一日に摂取する目標量。果実や野菜は食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを多く含み、生活習慣病を予防するために重要な供給源だが、日本の現状は、野菜が平均280グラム(男性288グラム、女性274グラム)、果物は100グラム(男性88グラム、女性111グラム)で、目標量に届いていない。
今年は国連が定めた国際果実野菜年。果実と野菜を摂ることで得られる健康上の利点などについて世界的な認識を深めることが目的。生産量は世界人口を養うだけの量はあるものの、先進国では消費の過程で、発展途上国では傷みやすいために流通の過程でロスや廃棄となり、必要量が摂取されていないという。
世界人口はこの50年弱でほぼ2倍になったが、生活習慣病の危険因子である肥満は3倍に増えている。発展途上国の流通問題も解決しなければならないが、日本は摂取しようと思えば摂取できる環境にある。目標に対する不足分約70グラムはおよそおかず一皿分で、それほど難しい量でもない。8月31日は「野菜の日」。バランスの取れた食生活について考えてみてはどうか。
(J)