「来たときよりも美しく」。海水浴をはじめ、キャンプ、釣りなど年間を通して行楽客が訪れる尾鷲市三木里海岸。これまでも暗にごみの持ち帰りを呼び掛けてきたが、今年からはこれまで海水浴シーズンに設置してきたごみ箱の設置を取り止めた。新型コロナウイルス感染症も考慮してのことで、ごみの持ち帰りを積極的に呼び掛けていく。
ごみ持ち帰り運動の発祥の地は尾瀬とされる。山岳地帯の尾瀬が登山者の捨てるごみで、自然破壊されるのを危惧した関係機関によって1972(昭和47)年から始まり、以後全国に広まったが、マナーの悪い観光客に悩まされている観光地も少なくない。
シーズン後の三木里海水浴場で、自ら進んで砂浜のごみを集めてくれた家族連れがいる一方、あるキャンプ場で「ごみは持ち帰ってください」と言われたキャンプ客が、「ならその辺に捨てればいいの」と返したとか。開いた口がふがらない。
ポイ捨ては立派な不法投棄で、ごみを捨ててはいけないことは子どもでも分かること。気に入った場所であればあるほど、また気持ちよく来られるようにきれいにしたい。そんな思いが一人でも多くなることを望みたい。
(J)