山を見ると新緑がきれいで、ここにも、あそこにも、雑木林があると気付かされる。そんな風景を見ながら車を運転していたら、ふと「国破れて山河あり、城春にして草木深し」という詩の一節を思い出した。人間社会がどんな状況でも季節は進む。もちろん、戦争や内乱があったわけでもないし、まちが荒れ果てて草木が茂っている状況でもない。しかし、コロナ禍で世界中が混乱している。
薬局ではマスクや消毒薬が品切れに。体温計も需要が急増し店舗からなくなり、液体せっけんも無くなっているという。ティシュペーパーやトイレットペーパーは入荷しているようだが、先日、買い物に行った店では棚に空きが目立った。布マスクを作る材料も品薄という。
品切れなのは、店のせいではないはずだが、店員に苦情をいう客がいるという。ネットでは、従業員用のマスクを売るように言われた、などの話が出ている。
人と会うのが怖い、という人が出てきている。薬局やスーパーなどの職員をはじめ外で仕事をしている人は、不特定多数の人との接触が避けられず、感染リスクにさらされながら地域の暮らしを支えている。それを忘れてはいけない。
(M)