近畿地方の梅雨が明けた8日以降、厳しい暑さが続き、「熱中症警戒アラート」も連日発表されている。熱中症は身近だが、実は命にかかわる非常に怖い病気。子どもから高齢者まで、発見が遅れると重症化のおそれがあり、炎天下の屋外の活動中だけでなく、自宅などの屋内でも発症する場合がある。新宮市内では先日、1人暮らしの高齢者が熱中症とみられる症状で亡くなっているのが見つかった。他人事ではない。
新宮消防によると、昨年中(5~9月)の熱中症患者の救急搬送は25件あった。今年は16日現在で8件(前年同期比増減なし)だが、12日以降だけで4件相次ぎ、ペースが上がっている。予防策として、
- のどが渇く前に水分を補給する
- 屋外では日傘や帽子の利用、屋内ではエアコンや扇風機の積極的な利用で暑い環境に長時間いるのを避ける
- 日頃からウオーキングなどで汗をかく習慣をつけるなど、暑さに強い体づくりを目指す
−の3点を呼び掛ける。室内でエアコンをつけずにいた高齢者が熱中症になった搬送事例では、「暑くなかった」という返答や、「足先が冷えるから」と厚着していた高齢者もいたという。高齢者は体温調整機能が低下して暑さを正確に感じにくくなるとともに、発汗能力の低下により体内の熱を放出する能力が弱まり体温が上昇しやすくなる。また、のどの渇きを感じにくく、水分摂取が不足しがちになる。我慢や節約のためエアコン使用を控えたために救急搬送されたケースもあり、特に1人暮らしの高齢者に対しては、家族や知人など周りの人が、積極的にエアコンを使用するよう声を掛け続ける必要がある。
屋外で活動中に体調が悪くなれば、まず日陰に入って、シャツのボタンやベルトを緩め、楽な姿勢で水分を補給し回復に努める。屋内外問わず、暑さによって意識がもうろうとしたり、汗が噴き出して止まらなかったりすれば、迷わずに119番通報することが大切だ。熱中症の発症には環境のほか本人の体調も関係する。過去には部活動中の中高生の搬送事例もあった。バランスの取れた食事、十分な睡眠を意識してほしい。
気象庁の公式用語で、気温30度を超える日は「真夏日」、35度を超える日は「猛暑日」としているが、近年の記録的な高温が相次ぐ中で、危険な暑さへの注意喚起をより分かりやすく伝えるため、今年4月に40度を超える日を新たに「酷暑日」とした。新宮市の観測史上最高気温は2024年7月8日の39.6度。ここ数日の暑さを考えると、初の「酷暑日」となっても不思議ではない。昔とは違う暑さになっている。過信は禁物で、残暑を含めて9月いっぱいは熱中症に十分気を付けてほしい。
