運転をしていると、本当にいろんな人がいることに気付く。特に感じるのは、あおるかのように車間距離を詰めてくる後続車だ。余裕がないのが車の動きでわかる。「今こっちが急ブレーキを踏んだらぶつかるな」と思うと、ハンドルを握る手に力が入る。
逆に余裕のある運転手を見るとこちらも余裕が出てくる。「お先にどうぞ」と手で示してくれたり、自専道の合流で入りやすいようにしてくれたり、幅の狭い道でこちらの通過を待ってくれたり。悪目立ちする方が印象に残りやすいが、実は余裕のある優しいドライバーの方が多い気がする。
横断歩道で歩行者がいる場合に停止するのは当然だが、過去には、歩行者が「お先にどうぞ」とサインを送って自動車が通った際に「横断歩行者妨害」として違反を取られたケースがあった。弁護士を通して抗議した結果処分は取り消されたが、考えさせられる1件である。
多少車を速く走らせるより、出発の時間を5分だけでも早くする方が確実だし安全だ。いろんな人がいるからこそ、「お先にどうぞ」の精神で、余裕を持って寛容な心で運転したい。
【稜】