先日、王子権現親睦会の避難訓練と出前講座を取材した。同町内会は以前から防災への意識が高く、避難場所となる王子ヶ浜小学校への避難路が整備されたこともあり、訓練や学習会を熱心に開催している。今回も約80人が参加し、市防災対策課職員の話を熱心に聞いていた。一方、参加者の多くが高齢者。比較的参加しやすい日曜日の午前中開催だったが、若い世代の姿はほとんど見られなかった。
大規模災害時、まずは自分の命を守る「自助」が大切。次に、隣近所で助け合う「共助」が求められる。いざという時のためには普段から顔見知りであった方がよい。町内会の訓練は防災意識を高めるとともに、住民同士のつながりを確認する機会にもなる。
大規模災害では、発災直後に自治体職員が地区に入ることは難しい。パニック状況の中、災害弱者の避難支援や避難所の運営などの任務を町内会の役員だけで担うことはできず、当然若い世代の力がほしい。有事に対応するには日頃からの備えが大切。できる限り若い世代に参加してもらうため、イベント的要素を盛り込むなどの工夫が必要になる。
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