各地の秋祭りは今回の連休中でほぼ終了した。紀宝町鵜殿では神輿やだんじりが地区内を巡り、活気にあふれた。各所での餅まきには大勢の人が集まり、歓声を上げながら楽しんでいた。子どもから高齢者まで多世代が、一つの催しを通して交流できるのが祭りの素晴らしいところだ。
一方で、新宮市広角(通称)の廣津野神社では、今年も神事のみが斎行された。かつては子ども神輿が巡行し、餅まきも盛大に行われていた。子ども数の減少などでコロナ禍を境に規模を縮小している。それでも年に一度の祭りを絶やすわけにはいかないと、神社奉賛会の役員が中心となり、準備から運営まで奔走。そのおかげで地区住民も安心してお参りすることができる。
地区によっては運営側の大半が高齢者というところもある。祭りを継承していくのは簡単なことではないが、世代間でバトンの受け渡しをうまくしていかないと将来が心配。清掃活動やしめ縄作りなど、地区住民への参加を呼び掛けてはどうか。地元の神社にふれる機会があれば、祭りにも興味がわいて参加するきっかけになるかもしれない。
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