紀北町議会は10日に総務産業、11日に教育民生の常任委員会を開き、一般会計補正予算(第4号)などの全16議案を「可決すべき」とした。商工観光課関連では、故障が重なって休業が続いているきいながしま古里温泉について議論があった。
古里温泉は5月16日に湯船に浮遊物を確認し6月13日から休業。ろ過器の五方弁やろ材を交換後、源泉タンク内に設置してあった油吸着用のマットが一部流出していることが判明した。新たなフィルターや配管施工により浮遊物が減少したため、9月3日に営業を再開した。
その後、循環ろ過機能に不具合が生じたために9月6日に営業を再び停止。高圧洗浄機による浴槽の洗浄や浮遊物の排出を行って10月22日から営業を再開したものの、23日に浮遊物が多く発生したため休業した。
さらに浴槽からの漏水や源泉のにごりが発生したため源泉タンクを清掃した後、11月14日に源泉ポンプが故障。現在も修理と休業が続いている。
浴槽や機械室の配管、浴槽タイル、薬注ポンプ、循環ポンプなどの修繕、外部販売水栓取り付けなど既設予算の光熱水費を利用して対処しており、補てんのため、12月定例会に上程されている一般会計補正予算案(第4号)で温泉管理運営事業費263万4000円を計上している。
総務産業常任委員会の原隆伸副委員長は「緊急に工事したというが、こんなにいろいろ工事する必要があったのか。やるべき修理以外は不適切な財源使用になる」と指摘し、岩見建志課長は「古里温泉をすぐに再開したいという思いから修繕を重ねてきたが、改善されなかった部分もある」と理解を求めた。原副委員長は事情を把握するためとして、詳細な資料の提出を求めた。
商工観光課から施工前後の写真による工事の概要の報告と、今後は配管の洗浄と源泉ポンプの修理を行う予定だと説明があった。
岩見課長は「住民の皆さんには、大変申し訳なく思っており、一日も早い復旧を目指している。工事が完了した後も、機器の試運転、最終安全点検が必要となり、現時点では正確な再開のめどが立っていない」と話している。
