お気に入りの湯呑みで、久しぶりに熱いお茶を飲んだ。以前はよく使っていたのに、なぜか食器棚の奥に追いやられていた湯呑み。湯呑みと言っても洋風のおしゃれなカップで、たまに限定色が出るのでシリーズで集めていた。
同じメーカーの別のマグカップも好きで毎日使っていたが、2011年の紀伊半島大水害で被災した時にすべて水没してしまった。廃盤商品だったので、少し生活が落ち着いてからそのメーカーに問い合わせると、色違いで在庫は少しあると。大変な時に弊社の食器をご愛顧してくださってありがとうございます。皆さまもお困りでしょうから、弊社の食器を少しばかり届けさせていただきます、と連絡があった。
しばらくして大きな段ボール箱が届いた。中にはお気に入りのマグカップと、使いやすいデザインの食器が多数。飛び上がって喜び、すぐに礼状とお礼の品を送ったことを思い出した。
おしゃれな雑貨屋さんには必ず置いてある瀬戸市にある有名な食器メーカー。創業75年、長く愛されるのは、このような心遣いも一緒に食卓に届けているからだろう。
【織】