新小学1年生に熊野材の木製品を贈る新宮市の新規事業「木育っこ事業」。市は製品受け渡し済みの67人からアンケートの回答(回答率57.76%)を得て、「記念品を実際に使ってみて」の質問には「とても満足」「満足」の回答が97.01%、「来年度もこの事業を実施した方がよいか」の質問には「実施した方がよい」「どちらかといえば実施した方がよい」の回答が95.52%だったことなどから、次年度も継続する方針だとした。
この結果を継続の根拠とするところに役所らしさを感じる。教育民生委員会でも調査方法に指摘があったように、単に受け取った保護者が不満を言うのは考えにくい。そこだけにアンケートを取って「満足度が高かったから次年度も」というのは、結論ありきの組み立てに見える。
行政では投資の回収という観点が抜けがちだが、投じた予算に対してそれ以上の効果をねらう、しかも結果のわかりにくい子育てでとなれば、より緊張感を持った精査をして、取り組みが根本的に市民のためになっているか、視野を広く持つ必要がある。市政全般にそういう気概を期待したい。
【稜】