高速道路を利用すると、すごく便利である。便利だなあと思う時はいつも、同時に環境問題のことを考え矛盾に行き着く。
片やSDGsだ、エコだ、環境だと言っている一方で、利便性のためには山の腹をえぐらねばならない。そうまでして手に入れた利便性がどれだけ必要なものかと議論する一方で、遠方への車の移動時間はどんどんと短縮されていて、その快適さに喜ぶ。一体自分は何なのだと思っても、どこまでも矛盾を抱えた1人の人間でしかない。
先日、太地町の「くじらに出会える海水浴場」へ取材に出向いたら、活動家と思しき人たちが捕鯨反対のプレートを道に置き、場内の様子を撮影していた。また制服を着た警察官が5人以上おり物々しい雰囲気。さらに上の道からメガホンで語りかける男性たち。どうやら活動家に反対する活動家のようで、「楽しみに来ている皆さんを邪魔する人たちです」「即刻立ち去れ」などと強い口調で反発していた。表現の自由はあるが、その言動は邪魔にならないのだろうかと矛盾の風味を感じる。
矛盾に気付き立ち止まるのは自分の声を聞くよい手段である。
【稜】