「貧困」と聞いて何をイメージするだろうか。貧困国でガリガリに痩せ細った子どもたちの姿?これは、「絶対的貧困」と言われ、衣・食・住に充実感を欠き、人間として最低限の生活を営むことができない状態を指す。
対して「相対的貧困」とは、国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の人たちのことをいう。「OECD経済審査報告書」(2017年)によると、日本の相対的貧困率が、2016年は15.7%もあり、約6人に1人は「相対的貧困」で、日米欧主要7か国(G7)のうち、日本は2番目に高い比率になっている。
それらの貧困家庭に救いの手を差し伸べるフードバンク(食料銀行)という社会福祉活動がある。和歌山県御坊市に拠点を置き、和歌山市~新宮市をカバーするフードバンク和歌山・事務局長の鈴木正文さんと新宮市内での活動に同行した。市内2か所の施設に菓子などを寄贈したあと、鈴木さんに話を聞いた。県内での相対的貧困率は5人に1人に迫るという。コロナ禍で最悪の事態も想定しているというが、限界があると肩を落としていた。
【茂】