那智勝浦町文化協会に加盟する3団体合同の町民展示祭が今年も行われ、大勢が鑑賞に訪れる盛況ぶりだった。今年17回目で、すっかり初夏の風物詩にもなっている。絵画、生け花、呈茶と、ジャンルの違う文化が一つの場所に集まることで生まれる相乗効果がある。「より素晴らしい作品を」と出品者の創作意欲が沸くことで作品のレベルは年々向上。来場者も心和む作品を鑑賞してからお茶でホット一息つけるのがうれしい。
過去には囲碁と俳句を加えた5団体合同で行っていた時期もあった。しかし、文化協会の加盟団体は現在、ピーク時の半分の11団体。後誠介会長は人口減少や高齢化により、指導者や世話係がいなくなったことが大きな要因と話す。やりたくてもできない現状があるということか。
県内の町村レベルで文化協会が存在しているのはめずらしいという。それだけ那智勝浦町では町民の文化意識が昔から高く、各団体の発表によって町民生活に潤いを与えてきた。町民の期待に応え続けるのは大変だが、文化協会には町当局と連携して頑張ってもらいたい。
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