岩手県大槌町の山火事が止まらず、焼失が広がっている。町内人口の3割が避難を余儀なくされ、昨年の大船渡市に次いで平成以降2番目の規模の山火事になっている。
大槌町は東日本大震災でも大きな被害を受けている。人口1万2510人のうち、死者803人、行方不明者479人。町長をはじめ多数の職員も行方不明になって行政機能が麻痺し、地震発災後は火災が広がったという。
大槌町は地方メディアとしても特異点がある。東日本大震災後、被災者のための生活情報や再建の状況を伝えるために「大槌新聞」が創刊され、10年ほど復興とともに歩んだ。新聞離れが叫ばれる中で新たな新聞をつくり、記者一人がタブロイド新聞を週刊発行していたのは、新聞に携わる身としては奇跡に思える。
15年前に東日本大震災後のがれきの山となった町を覚えていて、今あかあかと燃える山を見て、住民はどう思うのか。急峻な針葉樹林は燃え広がりやすく、南海トラフ地震の危険性を抱える本紙地域としても、決して他人事ではない。
(R)
