ホームセンターの塗料コーナーで、空っぽの薄め液(シンナー)の棚を目にした。仕入れに困った業者に買い取られたのだろう。一方、尾鷲の建築資材会社社長。「非常に強い影響が出ている」と嘆いた。現場の切実な危機感を象徴している。
だが、永田町の空気はあまりにのどかではないか。イラン情勢の悪化による世界的なエネルギー危機の懸念も気に留めず、国内に省エネへの緊迫感は見当たらない。近づいてきたゴールデンウイーク(GW)も車が減るのかどうか。
「直ちに供給が途絶えることはない」という政府の楽観論が国民の危機意識を麻痺させている。その言葉を鵜呑みにせず、ガソリンの節約に努め、生活必需品の備蓄に走る賢明な市民もいる。
観光地にとってGWは書き入れ時。「遠出を控えて」「ガソリンを節約して」と呼びかけるのは、観光業や飲食業への冷や水となりかねないが、現実的な危機に備えるため、需要抑制を直言する業界トップや首長がいてもいいはず。「空っぽの棚」が警告する未来を直視すべきだ。
(N)
