以前、全国のご当地ハンバーガーをとりあげたテレビ番組で大台町の「おいしかバーガー」が紹介されていて、ないものねだりではあるが、うらやましかった。
尾鷲で捕獲されたニホンジカを使った「鹿肉ごろごろカレー」は名前に偽りがなく、柔らかく煮込んだ肉がふんだんに入っている。値段はご当地カレーとしては高めだが、ジビエ商品としてはかなり安い。尾鷲の新しい攻め手になるか。
クマ頻出の異常事態で猟友会の高齢化や待遇に注目が集まっているが、緊急避難的なクマの駆除というより、森林や人里の境界や生息状況に合わせながら鹿や猪などに農作物や林業を守るのも重要な役割の一つ。豊かな森づくりと一次産業の活性化のためにも、ジビエの活用促進は有効。
日本ジビエ振興協会によると、利用率は1割強にとどまっている。獣害として処分するだけなく、食肉や皮を活用するのはSDGsの理念にも合い、今後は推奨されていくのではないか。尾鷲のジビエが地域の資源として地元により浸透していく手法はないものか。
(R)
