紀北町にゼミ生とともに現地調査に来た福知山公立大学の地域経営学部の教授から〝Nターン〟との言葉を聞いた。
Nターンを調べると、さまざまな意味合いが見受けられるが、この教授が提唱しているのは「一度訪れて気に入ったところに移住する」という、前段階の現地訪問や交流を含めたIターン移住のプロセスを示す。都市部から地方への移住としては理にかなう。
では移住の前段階として効果的な手法は何か、と質問すると「特にこの町では教育旅行が有効ではないか」と答えをもらった。中山間地域では大規模農業は難しく、人口減少で一次産業の衰退は避けられない。かといって有名な観光地として多数の誘客は図りにくく、受け皿の整備も難しい。「一次産業と観光をかけ合わせ、住民と交流」は現実。
尾鷲市では自然体験学習の尾鷲育が定着しつつあり、みんなの森を基軸にしたSDGs教育も可能性がある。紀北町も銚子川や熊野古道を基軸とした自然と文化の体験プログラムもつくれる。可能性の芽はまだまだある。
(R)
