米の価格上昇が止まらない。先々週分の統計で下がり、低下基調になるのかと思ったら先週分の統計で再び値上がりした。備蓄米が放出され始めて2か月たつが、価格への効果はみられない。その中で、農林水産大臣が不用意発言で交代。放出の手法を替えることになった。
本来の制度とは違う形で行われた今回の措置。調べてみると、政府が昨年秋以前に仕入れた米が、ほぼ現状の流通価格で出されている。安値で放出すると市場が混乱するのは分かるが、少しでも価格調整ができなかったか。
もう一点、放出した備蓄米が円滑に流通しているのかの調査はしているのか。大部分はJAが落札しているが、いろいろな事情で受け入れ分をさばけない事態になっていないのか。
10年以上前の話だが、当時60代後半だった生産者が「作るだけ赤字」と言っていた。サラリーマンになる程度には所得がある状況にしないといけない。
価格高騰はつらいが、今回の事例を受けて、生産者も消費者も納得できる新しい相場観ができることに期待している。
(M)