高齢化の影響がこんなところにも、と思った事案がこの前あった。毎年7月1日から7日は「全国安全週間」で、労働災害防止のための啓発などが行われている。これに合わせて熊野労働基準監督署の半田敦裕署長らが事業所でパトロールを実施。終了後、澤木淳監督・安衛課長の講話があった。
転倒事故防止の事例として挙げられた2件は、60代、70代の高齢女性のケース。定年延長などの高齢者の雇用確保の施策が進んだこと、人手不足などで、以前なら引退している年齢の人が現場で仕事をしている。「いきがい」のために仕事をするのはよしとして、仕事をしないと十分な生活ができないのは「死ぬまで働け」と言われているようで、気持ちがなえる。
2例目は、何もないところでつまづき、転倒したもの。澤木課長は、「誰にでも、どのような場所でも起こりうる」と紹介した。家庭でも、寝たきり防止のためにも転倒対策が重要と言われる。高齢者本人が気を付けるのはもちろん、周りの人の気配りも大切だ。
(M)