大相撲夏場所は26日に千秋楽を迎える。優勝争いは混とんとしている。3敗で並走する大関琴櫻と新小結大の里のどちらかが賜杯を手にしそうだが、4敗の5人にも優勝のチャンスがある。
大の里は新入幕から3場所連続の2桁白星を達成し、三役で3場所33勝という大関昇進の目安の起点もつくった。この勢いで大関に昇進し、待望久しい日本人横綱誕生の期待も膨らむ。ただ、先の未成年力士との飲酒問題が後を引き、今場所の活躍を素直に喜べない。
それよりも興味をそがれたのは横綱、大関陣のふがいない相撲内容。1横綱4大関全員が初日に総崩れし、全員の白星がそろう日がないまま1横綱と大関2人が休場。霧島は大関から陥落した。
相撲人気は中高年に支えられている。「憎らしいほど強い」と言われた北の湖を知っている世代だ。勝って当然の地位にある横綱、大関がさすがの相撲で土俵を締めてこそ、相撲協会の看板を背負う責務を果たしているといえる。今は地位の重みも何もない単なる興行になっている。
(N)