自民党安倍派の一部議員が政治資金パーティーを還流させて裏金化させていた疑惑を巡る報道が連日続いている。国家の要職が「答えを差し控える」「申し上げることができない」と説明を拒みながら「職責を果たしていきたい」と語る姿に、強い失望を覚える。
人口が減少し衰退し続けている地方に住む身として、「なぜこうなったか」と問い掛けることは多い。住民の資質や自治体の政策ではなく、社会の構造的な問題だと認識している。地方の若者を集めて都会の労働力と消費を維持してきたが、特に都市部での人口の再生産には失敗していると言わざるを得ない。
バブル崩壊後、 IT革命の世界的な潮流に乗り遅れ、一次産業の制度的な合理化が急速に進んだとも評価できない。この閉塞感が漂う日本の現状は、結果として政治家の力量が問われるべきである。
己の行いを説明できない者には国家論を語る資格がない。劣悪な政治が国民にとって害悪なのは歴史が示している。少なくとも、役職にあるべきではない。
(R)