イタダキ市の会場のテーブル席でサンマずしを食べながら、尾鷲の海は美しい、とあらためて思った。官民問わずホームページやSNSなどで積極的に画像や動画を発信しているものの、尾鷲のオーシャンビューが観光資源として活用されているとは言い難い。
まちと海の近さは尾鷲の観光資源でもあり、発生が予測されている南海トラフ地震を考えれば防災上の致命的な欠点でもある。海の駅など海沿いに観光拠点を設けようとすれば、どうしても津波への安全対策が問題となってくる。広域ごみ処理施設予定地の変更、移転する市営野球場の安全性の是非、活性化の切り札と目されるSEAモデルの事業展開。志を持って尾鷲の活性化にどれだけ知恵をしぼったとしても、結局津波への不安で可能性が潰されている、という印象が拭えない。
尾鷲市は海のまちであり、海とともに生き、海に殺されないまちづくりが必要不可欠となる。港付近を積極的に活用していくためにも、避難タワーなどの設置は積極的に行っていくべきだろう。津波発生時に安全なまちづくりを構築することが、積極的なアイデアや投資の呼び水となるのではないか。
(R)