新型コロナウイルスに関する対応が迷走している感がある。感染者の急拡大とそれに伴う病床ひっ迫を受けて、三重県でも「BA・5対策強化宣言」が発令されるようだが、住民に対しては「お願いベース」。都道府県が独自に「○○アラート」などを出すのと変わらない。無症状または軽症者が多いことを踏まえ、経済を回すことを優先しているが、もう少し早めに手が打てなかったか。
結果論だが、感染者数が急増する中で、病床使用率は大幅には増えなかった期間があった。その間、例えば7月最終週に手を打っていれば、受け入れ環境の悪化を先送りできたのではないか。救急受け入れ困難のため死亡する事案が起きてしまえば、対応をためらっていた行政の責任が問われかねない。
死亡率は高くないものの、高齢者施設を中心に、重症病床に入らずに亡くなる方もいるよう。経済を回すために、濃厚接触者であるかどうかの調査を止めようという話が出ているが、行動制限はかけないにしても、その人が自覚して感染対策を取ることができるよう、識別することは大切だ。インフルエンザなみに治療薬ができるまで、対応を緩め過ぎないことを期待する。
(M)