参議院議員選挙の公示を前に、衆議院議員選挙の小選挙区の「10増10減」が確定した。東京が5区、神奈川が2区、埼玉、千葉、愛知が1区ずつ増える一方、宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎が1区減ることになる。
東京が30区となるのに対し、今回で減少した和歌山をはじめ、山梨、福井、鳥取、島根、徳島、高知、佐賀が2区なのは、都市部と地方の格差を端的に表している。
一票に格差があることは確かに問題だが、地方の声が届きにくくなり、地方創生がおざなりにされてしまうのではないか、という危機感がある。例えば和歌山県は和歌山市周辺の1区とそれ以外の2区になり、大阪府と隣接する橋本市から本州最南端の串本町まで広範な選挙区を担うことになる。沿岸部は、本紙地域と同じく南海トラフ地震対策が重要な課題となる。国と自治体、住民が手を携えてこそ成し遂げられる事業もある。
今回の参院選は、物価高や円安への対策、国防費の増強がテーマとされている。もちろん国全体の施策も重要だが、候補者が県内で何を見て何を思い、何をしようと考えているのか、しっかりと耳を傾けていきたい。
(R)