土砂災害警戒情報の発表基準の変更に伴い、津地方気象台は警戒情報に先立って発表する大雨警報(土砂災害)・大雨注意報の土壌雨量指数基準を変更した。これまで全国一律で使っていた「50年に1度の値」に代えて、地域の災害特性が反映されるよう見直し、1キロ四方ごとに基準値を設定。紀勢・東紀州地域では、警報基準が従来の1.5~2倍に引き上げられた。
熊野市に大きな被害を及ぼした紀伊半島大水害。9月4日午前4時に土砂災害が発生したが、当時は警報の発表が2日以上前の1日午後9時9分、警戒情報でも40時間近く前の2日午後1時25分で、災害発生までかなりの時間があったが、新基準でシミュレーションしたところ、警報が前日の3日午後6時30分、警戒情報が当日午前0時となり、予想の精度が向上する結果が出ている。
災害発生までの時刻、地域をより絞り込んで発表することができるほか、基準の引き上げにより、注意報や警報の発表回数はこれまでより減る見込みで、空振りが減って信頼性が高まる。それゆえに、発表された場合は、「危険が間近に迫っている」ことを意識した行動が大切になる。
(J)