SNSで昨今の新型コロナウイルスの状況を「さざ波」と表現した、内閣官房参与に批判が集まっている。「これぐらいでオリンピック中止をいうのは笑止千万」というような書きぶりだったので批判を受けているのであって、「さざ波」という状況分析の紹介が悪かったわけではない。
状況の悪い自治体では、入院できずに亡くなっている人がいる。三重県でも、患者数が少ない時はPCR検査で陽性が判明したらすぐに入院や宿泊療養などの対応が取られるが、感染者数が増えれば調整に時間が掛かるようになる。「さざ波」でこの状態なら、大波が来たらどうなるのか。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は、波を穏やかにするための仕組み。一方で、病床確保など、「大波が来た時」の危機対応はあまり進んでいない印象。もっとも、ベッドや薬、医療機器があればいいという問題ではない。知識と技能を持ち、適切に対処できる医療人材を育てるのには時間がかかる。
現在の状況を落ち着かせることが何よりだが、場当たり的な対応ばかりでは、住民の安全安心につながらない。将来に向けての対応も考えないといけない。
(M)