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社説「接種加速へ知恵絞って」

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が始まっているが、1・2回目ほど思うように進んでいない。官邸ホームページによると、17日時点で全国の接種率は11.9%にとどまっている。国が接種の前倒しや期間繰り上げなどを行い、ワクチン供給や接種券送付などの準備が追いついていない自治体もあるが、過去2回はファイザー製、今回はモデルナ製というように、いわゆる「交互接種」に対する不安の声が聞かれたり、副反応が気になって接種をためらったりすることも進まない要因の一つ。政府は交互接種の安全性や効果は確認されているとして、ワクチンの種類よりもスピードを優先させてほしいと呼び掛けている。

 現在、和歌山、三重両県にも「まん延防止等重点措置」が適用されている。和歌山県では、日々の感染者数が高止まりからやや減少傾向が見られるものの、高齢者への感染の広がりや、亡くなる人が増えている状況で引き続き予断を許さない。
 
 ワクチン接種は高い発症予防効果がある一方、感染予防効果や、高齢者では重症化予防効果についても時間の経過に伴い、徐々に低下していくことが分かっている。このため、感染拡大防止と重症化予防の観点から、1・2回目接種の完了から一定の期間が経過した人から順次、3回目接種を実施している。3回目接種を加速させることが、感染の波を落ち着かせ、地域の医療現場を守ることにもつながる。
 
 また、県の要請を受け、飲食店等は営業時間短縮あるいは休業としており、地域経済の停滞が続く。要請解除とともに経済活動をすぐに再開させるためにも、3回目接種の重要性を広く周知していかなければならない。周知という点では、那智勝浦町長が「交互接種」でモデルナ製ワクチンを接種する様子を公開し、安全性と接種推進をPRした。同町では2月中のモデルナ製ワクチンの予約には空きがあり、申し込みをすればすぐに打てる状況にあるという。
 
 一方、愛知県では、3回目の接種につなげるため、1・2回目の接種済みの人にイベントでのグッズプレゼントや優先的にサービスが受けられるなどの取り組みを実施している。当地方の自治体でも、3回目接種を加速させるため、何らかの特典を考えてはどうか。
 
 間もなく卒業シーズンを迎える。多くの学校が規模を縮小して行う方向で準備を進めているが、クラスターが発生すると中止になる可能性もある。コロナの流行が始まった一昨年は臨時休校措置で和歌山県立高校の卒業式が急きょ中止になり、生徒らはつらい思いをした。子どもたちの門出を祝うためにも、一人一人の感染防止対策とともに、各自治体にはワクチン接種を加速する知恵を絞ってもらいたい。
 

      社説

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