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社説「地域で一丸、意識高めて」

 新型コロナウイルスの感染が都市部で歯止めがかからず、その流れは地方にも押し寄せている。23日現在、本紙エリア(新宮市、東牟婁郡、南牟婁郡、熊野市)では、感染者が出でいないが、和歌山県では田辺市で、三重県では尾鷲市ですでに陽性患者が出ており、引き続き、「密閉」「密集」「密接」の3密回避をはじめ、一人一人が感染予防に努めることが求められている。さらに、都市部から帰省する人たちが出てくる大型連休が気がかりだが、命に関わることと認識し、帰省を見合わせるよう伝えるなど、県外との往来を絶たないといけない。

 本紙エリアでは、新宮市立医療センターと公立紀南病院(御浜町)が感染症患者を受け入れるための病床(陰圧室)をそれぞれ4床ずつ持つが、仮に地域で感染が広がれば、瞬く間に現場が逼迫し、地域の医療崩壊につながりかねない。
 
 今、各地の医療現場はかつてない窮地に立たされている。院内感染が出た病院の状況を見ると、防護服やマスクをはじめとした用具が不足するなどし、感染リスクを完全に回避できていなかったことも要因の一つにある。家族への感染を恐れ、家に帰らないで対応を続ける医療従事者もいるという。まずは、最良の環境で治療できる体制を維持することが大切だ。
 
 そのためには、無意味な詮索や感染患者を誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)するなどの行為は慎まなければならない。デマや憶測が拡散され病院の風評被害につながったり、住民からの問い合わせの電話で病院の業務に支障を来たしたりすれば、それこそ医療現場は逼迫してしまう。
 
 不要不急の外出自粛などでストレスが溜まりやすい環境下ではあるが、病院をはじめスーパーや薬店、コンビニエンスストアなど、人と人との接触を避けられず従事する人たちも数多くいる。品薄状態のマスク入荷に関して店員に強く迫る人や、感染防止対策で協力を呼び掛けるスーパー店員に文句を言う人も見受けられた。
 
 新型コロナの終息はまだまだ見通せず、日々の生活に不便を感じる状況はしばらく続くだろう。しかし、このような緊急時こそ、災害時同様、一人一人が思いやりの気持ちをもつことが求められるのではないか。

      社説

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