新宮高校定時制の卒業式終了後、来賓の一人が「良いお式でした」と話していたが同感だ。同校の卒業生で、東京の「ユー花園」創業者の山田祐也さんは毎年、後輩の門出を祝って蘭の花を送ってくれている。取材のたびにそのことが紹介されていたので、名前と会社名は記憶していた。
その山田さんが2月19日に88歳で急逝された。このため今年の蘭は息子で現社長の山田大平さんの名前になっていた。下村史郎校長は、告別式に参列した際に同社の従業員数人と話した内容を卒業生らに紹介。山田さんは、新入社員への話などで、よく新宮高校定時制への感謝の気持ちを述べ、自分がお世話になった人、育ててもらった人や場所への感謝を忘れてはいけないと、常々呼び掛けていたという。
この話を聞いて目頭が熱くなった。東京で創業し、500人近い従業員を雇用する会社に成長させることができたのは、新宮高校定時制での学びをいつも心に留めていたからなのだろうと。私たちは1人では生きられない。必ず誰(何)かに支えられながら生きている。感謝することの大切さを改めて感じた。
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