先週の本紙社説欄で、神戸市水道局が各家庭に配布する検針票の裏面に「神戸市水道局ミニ新聞」と題し、市民への必要な情報を提供していることを紹介したが、まさに“かゆい所に手が届く”行政サービスだ。印刷コストはかかるかもしれないが、改めて周知することを考えれば有効的な取り組み。さらに寒さによる水道管破裂の注意と、災害時の給水拠点の案内という時機を得たもので、市民にとっては有益な情報といえる。
限られた予算の中でより良い行政サービスを提供するためには、前例踏襲ではなく、新たなことに挑戦する意欲と知恵を出し合うことが必要。ゼロから考えるのが難しければ、全国各地の事例を参考にすればよい。
特に住民への情報提供に関しては、災害時を想定すると、平時からさまざまな方法を選択肢として持っていたい。高齢者が多い土地柄、アナログな対応も残しながら、デジタル活用について、老人会や地域の集まりで出前講座を行うなどして徐々に浸透させていけばよいのではないか。行政職員には、住民のニーズを捉えたサービスを意識しながら仕事してほしい。
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