那智勝浦町交通指導員協議会が今年12月で発足50周年を迎えるにあたり、記念式典があった。全国的に車が急速に普及した昭和30年代から40年代にかけては「交通戦争」と呼ばれるほど事故が多発し、和歌山県でも昭和44年には交通事故死者数が最多の230人を記録するなど、深刻な状況だった。そんな中、同協議会は交通事故をなくしたいという町民有志により昭和48年に発足以来、交通安全の啓発や教育活動に取り組んできた。
和歌山県内の交通事故発生件数は減少傾向が続いている。関係機関・団体による熱心な啓発活動、警察の取り締まり強化、道路環境の整備、車の安全性能の向上など、さまざまな要因が考えられるが、同協議会のような地道な活動の継続が何より大切で、住民の印象にも残る。
年末にかけて慌ただしい時期になり、交通事故も多発するおそれがある。一人一人がルールとマナーを守れば、おのずと事故は減るが、これからの時期は「10分前行動」を心掛けることで気持ちに余裕が生まれ、より一層の安全運転につながる。どうか、実践してほしい。
【F】