早いもので、9月ももう終わろうとしている。来月にはいよいよ、熊野速玉大社の例大祭が行われる。コロナ禍では規模を縮小していたが、今年は4年ぶりに本来の形で斎行されるという。紀南地方で最大の秋祭りとしても知られており、新宮のまちがにぎやかな祭り一色に染まる。
祭り機運も徐々に高まってきている。2日目に行われる祭りのハイライトである早船競漕の練習にも余念がない。連日連夜、男衆が熊野川原に集まり、仕事終わりの疲れた体を奮い立たせながら、真っ暗な熊野川で櫂(かい)をこぐ息を合わせている。
昨年の御船祭には、子どもたちを連れてゴール地点に見学に行った。関係者や見物客の熱気に包まれる中、下流からスピードに乗った早船が水しぶきをあげながら、次々と御船島にやって来る。以前乗船体験したことがあったため、子どもたちは勇壮で豪快な若者の姿を興味深そうに眺めていた。
「かっこいいけど大変そう」との感想を言っていたので、将来こぎ手になるかは分からないが、親としてはぜひ、力強く船をこぐ姿を応援に行ってみたいものである。
【織】