先日行われた、新宮市社協による災害ボランティアセンター設置訓練に近大新宮高校の生徒21人が参加していた。普段から清掃活動などのボランティアに参加している生徒も多く、今回の訓練でも積極的にさまざまな体験に臨む姿が印象に残った。
当地方で近い将来の発生が予想される南海トラフ地震に備え、各自治体では防災対策を進めている。沿岸地域への避難タワー設置や避難路の整備など、ハード対策は行政が責任をもって取り組むべきことだが、予想される地震の被害は広範囲に及ぶため、行政の支援をあてにすることはできない。自助、共助、公助の順。つまり、少なくとも1週間程度は地区で助け合いながら耐えしのぐ必要がある。
紀伊半島大水害の被災地で、床上浸水の被害を受けた住宅の泥をかき出していた高校生ボランティアの言葉を思い出した。「自分たちのまちが大変なことになっている。少しでも力になりたいと思って来た」。復旧・復興に若い力は不可欠。有事の際、一人でも多くの若者が自然に誰かの助けになることができるよう、学校に対して訓練への参加をもっと積極的に呼び掛けてもいいのではないだろうか。
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