新宮市の災害対策本部報告会が23日にあった。報告によると、災対各部の多くは実践的訓練を1回のみ、10月~11月ごろ実施していた。田岡本部長が総括で「年1回の訓練では“訓練の訓練”になりかねない」として回数を増やすよう伝えていたが、時期についてはどうだろうか。
災対総務部が「人事異動がある中で、各職員は毎年度業務内容を確認しておかなければならない」としていた通り、役所は異動がつきもの。部署が変われば災対の所属も変わる中、最初の訓練が10月・11月というのは遅くはないか。紀伊半島大水害があったのは9月初旬である。
防災対策課によると、各部で毎年行動計画の見直しから順序立てて行っていくと、計画に基づく訓練の実施はその時期になるという。手続きと順序を重んじた役所らしい理由だが、災害は手続きを待ってはくれない。
春ごろに前年度までの行動計画に基づく訓練を行ってはどうか。その際の課題も踏まえ計画の見直しを図れば新年度に即した検証ができ、万が一、計画の更新中に災害が起きたら前年度までのマニュアルを参考に対応できる。
市民の命のためご一考いただきたい。
【稜】