何か物事を進める時に、みんなで話し合って方向性を決めると、それぞれの立場を尊重した「まるい」ものしか生まれない。
紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会が設置され、14日に第1回部会が開かれた。JR西日本の同区間の赤字収支公表を受け、沿線8市町村と和歌山県、JR、和歌山大学准教授で構成される同部会を設置し、課題共有から利用促進などの取り組みを行う。
複数の機関が集まって事業を行う場合、合意形成のためによく協議会が設立されるが、今回の紀勢本線新宮~白浜間について、赤字になってきた要因には人口減少や少子高齢化、自動車道整備など環境の変化が大きく影響している。この大局の変化に対し必要なのはみんなで話し合って真ん中の意見をとる「中庸」よりも、大転換を図る「革新」ではないか。
取材時、同部会の今後の議論の方向性については現状「利用促進」以上の言葉は出てこなかった。互いの立場を尊重している間に手遅れになっては元も子もない。求められるのは「十分な議論」ではなく「有効な具体策」。革新をもたらすのは一人のとがったアイデア。合意形成のあり方を問う。
【稜】