少し前のネットニュースで、福岡市の長浜屋台ラーメンの存続が危ぶまれているという記事があった。かつては15軒あったものが、最近は1軒が営業しているかどうかという寂しい状況。店主の高齢化が進む中で新規参入が難しく、コロナ禍で大打撃を受けて廃業する屋台が増えたのだという。
屋台とは、屋根つきの移動可能な店舗。現代の屋台は戦後の闇市などが起源というが、食べ歩き飲み歩きグルメとして観光名所になっているところもある。一方で、排水や騒音問題などで、住民から苦情が絶えないというケースも。
子どものころ、新宮市内の自宅で夜になるとたまに、チャルメラの音が聞こえてきた記憶がある。その姿は1度も見たことがないので、車だったのかリヤカーだったのか定かではないが、ずっと遠くの方からゆっくりと近づいてきて、そしてゆっくりと去っていった。
あの夜鳴きがいつ聞こえなくなったのかは分からないが、30年ほど前には確かに存在していたと思う。屋台を引いていた店主はどんな人だったのだろうかとふと、古き良き時代に思いをはせてノスタルジックな気分になった。
【織】