昨年の衆議院議員選挙、今年の参議院議員選挙で大きな争点となった「年収の壁」の引き上げは結局、課題解決が越年することになった。ここ2~3年で物価、賃金とも急激に上昇している。「年収の壁」以外も含めて、物価上昇局面にふさわしい制度を構築する必要がある。
尾鷲市議会は12月定例会で、「危機的状況にある自治体病院の存続に向けた財政支援を求める意見書」を全会一致で採択した。人口減などの要因もあるが、診療報酬の改定の仕組みが物価高の速度に合ってないことが課題として認識されている。介護職員や保育士などの処遇改善も同じ流れと言える。
年収の壁についていえば、パート労働者などの「働き控え」の問題にも関係している。各所で人手不足が叫ばれている。これまでと同じ時間働いてもらえない、というのは事業主には悩みの種だろう。
これ以外にもいろいろな仕組みを、時代に合う形に変えていく必要がある。目の前の課題解決と同時に、目指す将来像に合わせた社会制度設計を望みたい。
(M)
