あくまで個人の考えではあるが、一つの側面として、記者にとって選挙は試験のようなものだと捉えている。地域の情勢や課題、住民の意思をどれだけ把握しているか、予測との差異から学ぶことは大きい。
今回の紀北町長選の三つどもえが固まった頃、個人の見立てとしては、前回の町長選から見ても尾上町政への批判は少なくなく、中井氏の選挙事務所立ち上げに出席した町議、直近の町議会の動きから票数を推し量っていくと、接戦になるものの新人の中井氏が優勢と見ていた。
告示が近づいて公約も出そろったころに話を集めていくと、現職支持の手堅さが感触としてあり、五分五分に修正した。
もし尾上氏と中井氏が互角であれば、現職批判が分散すれば現職が有利か。いや、現職支持の声はサンプルにバイアスがかかってはいないか。そもそも、前提になっている情勢の推算が間違っているのではないか。予想を聞かれる度に「分かりません」とかわしているように見せて、実は本当に読めていなかったのが正直なところである。
(R)
