札幌市のゴルフ場で、ハンターがクマを無許可で撃ち駆除した、というニュースを聞いた。本紙でも取り上げたように、1日から法律の改正で、いくつかの条件の下かつ市町村長の許可を得て銃による駆除が認められるようになった矢先のこと。行政と司法は難しい判断を迫られている。
感情としては「命の危険があるのに罪に問われるのか」との思いが強い。発砲はいたしかたなかった、という方向で話を進めるなら、緊急避難(刑法37条)を適用するという解釈ができる。ただ、安易に認めてしまうと、法改正をして特定条件下で緊急銃猟ができるようにした意味が減じてしまう。
一方で、有罪となると、活動するハンターが一気に減ることが考えられる。山に入ってたまたまクマと遭遇。クマに襲い掛かられそうになった時に銃で撃てなくていいのか、という話にもなる。
幸いなことに刑法37条は過剰避難について「情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる」との規定もある。人間の命を大切にする判断がされることを願う。
(M)
