盆休みのことだった。近所で水道配水管が破裂し、自宅が断水した。
すぐに備蓄しているトイレ用の水を準備したが、20リットルのポリタンクから直接トイレのタンクに給水できず、バケツにくみ替えて何杯か運んだ。飲み水と紙皿も用意し、家の風呂をあきらめ夢古道の湯へ急いだ。
幸い4時間足らずで復旧したが、思いがけない試練を経験した。蛇口をひねって水が出る日常の「当たり前」を「ありがたい」と感じた。管理する水道部や水道事業者の関係者のつながりがあって、安心して水を使えるのだと改めて感謝した。
同時に、有事に備える良い経験となった。大地震で水も電気も止まることが考えられる。自治会とはいわず一家庭でも訓練を行うことで断水、停電時の対応力を高められる。地球温暖化などで「数十年に一度」とされる雨が毎年どころか、最近は各地で頻繁に起きており、生活インフラが途絶えるリスクは高い。
9月1日は「防災の日」。一人一人が災害列島に暮らしていることを自覚し、身の回りの備えを再確認したい。
(N)
