記事を書くにあたり、よく苦戦するのが見出し。記事の中身を10文字程度で要約し、本文に引き込まなければならない。大きい主見出しと、続く副見出し、合わせて20文字以内で簡潔に説明できればよいが、なかなかセンス良く、とならない。
五・七・五の俳句は17文字、つまり見出し2本よりも短い。この少ない文字で、情景や内面を切り出す、日本語の芸術といえる。
三浦樗良祭の入選句を見ると、特に児童生徒の部は明るく素直で、情景が思い浮かぶような句ばかり。中学生になると、夢や目標に向かう意志の強さを感じさせる句が目立つ。健やかにのびのびと成長しながら、大人になるにつれて自分の人生を形づくっていくようで、なんだかうれしくなる句ばかり。一般の部は熟練の世界で、詠み手の人生を映し出すような句が並んでいる。
毎年子どもたちが短い言葉で心を表現する三浦樗良祭は、関係者が積み重ねてきた地域の宝。これからも子どもたちが俳句に触れられる伝統は決して絶やしてはならない。
(R)