先日、久元喜造神戸市長が、小池百合子氏が東京都知事選挙で3選したことに対し「有り余る財源を使ってやりたい放題で、東京に人材を集める。周辺の自治体も迷惑」と批判していたのがニュースになった。東京都が豊富な財源を使って子育て支援などをすればするほど、地方から東京へ人が流れてしまう可能性があるが、自治体のトップは、その自治体の住民が暮らしやすくするのは任務であって、それを批判するのはおかしい。
一極集中の打破が必要、ということには、多くの地方の人が同意すると思う。尾鷲市や紀北町からみて巨大都市の神戸市の市長が指摘した点は大きい。誰だったかが「18年かけて一人前に育てた人材を都市が奪っている」との趣旨の発言をしていたが、その通りと言える。
首都機能移転も立ち消えたよう。交付税措置より強力な制度的な格差是正対策が求められる。同時に「地方での暮らしも豊か」ということを広めることも大事。日本が末永く日本的であるためにも、今より地方重視の取り組みを進める必要がある。
(M)