内閣府の男女共同参画局が今年3月に公表した 「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、女性の10.3%、およそ9人に1人が配偶者や恋人などから繰り返して暴力を受けた経験があるといい、男性の4%に比べると2倍以上に上る。
殴る蹴るなどの身体的ものだけではなく、人格を否定するような暴言や交友関係を細かく監視するなどの精神的な嫌がらせ、自分や家族に危害が加えられるのではないかといった恐怖を与えるような脅迫(心理的攻撃)、生活費を渡さない、外で働くことを制限する(経済的圧迫)、嫌がっているのに性的な行為を強要することなども暴力に含まれる。
そんな中、「相談するほどのことではない」「自分にも悪いところがある」「自分さえ我慢すればいい」などと考えて約4割の女性が誰にも相談しておらず、暴力を受けた女性の4割以上は「子供がいるから」「経済的な不安があるから」などの理由で別れたいと思いながらも別れなかったと答えている。
いかなる理由があっても、どんな間柄でも暴力は許されない。暴力と認識せずに行っている場合も考えられるが、被害が大きくならないためにも早めの相談を。
(J)