哲学者パスカルの言葉に、有名な「人間は考える葦である」がある。葦とは水辺に育つイネ科の多年草。大木と違い、強い風で折れたり、大雨の増水でなぎ倒されたりするなど弱い植物で、人間も弱い存在であることを表現している。
動物を見ても熊や牛、馬などに比べて大きさや力、速さで劣り、決して強い存在ではないが、他の動物にはできない「考える」ことが優れている点で、繁栄してきた。
日常の業務でも考え、工夫することで改善できることは少なくない。例えば、翌日に備えた準備。使い方を考えて必要なものを必要な順に並べれば当日の作業もスムーズに進むが、何も考えず、適当に置いたのでは作業ははかどらない。
同じような業務を毎日同じ時間をかけてこなすようでは、効率も質も上がらない。いつもやっている業務であれば、経験を重ねればスピードは上がるはずで、時間に余裕ができれば、質を上げる勉強に費やすなどの改善にもつながる。
思考や行動などがワンパターン化するマンネリは、考えていないことと変わらない。「考えるから人間」だとするならば、自ら考え、少しずつでも改善することが大切である。
(J)